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標的にカンパチ向けし眉間(みけん)紋
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いわし雲大鯉の背の破り出る
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梅雨空を背鰭(せびれ)のゆるりゆるり撫(な)ぜ
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鯉のぼり池の鱗(うろこ)とまみれ合う
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鼻面にネオン加えし熱帯魚
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五尾六尾鯉の背めだか渡し終う
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串くわえけぶりに岩魚(いわな)泳がさる
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少年の眼(まなこ)大きく諸子(もろこ)得り
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のったりと沙魚(はぜ)の生殺(せいさつ)手の平に
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追憶の翳(かげ)り山女魚(やまめ)の光り過ぐ
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飛行機の翼を飛魚見てしまう
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鳥山を散らす鮪（まぐろ）の跳ね飛沫（しぶき）
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石鯛（いしだい）の己（おの）が檻(おり)より出ずる夢
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チヌばらし波止（はと）に漆黒(しっこく)打ち寄せり
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跳ね音に鰡（ぼら）の姿のすでになく
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さきがけを鮭の眼(まなこ)の信じきる
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釣り落とし淵に消えざるアマゴ斑
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離れゆく十指（じゅっし）を岩魚（いわな）ふりかえる
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重力のいま鮟鱇（あんこう）のためにある
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大根を片手に鰤（ぶり）の粗（あら）売り場